東大生の読書ライフ

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東大生による書評ブログ。

田舎暮らしの本よりも圧倒的な情報量!仕事は?食生活はマクロビで。

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「自然の暮らしがわかる本」(新田穂高・城之内まつ子、山と渓谷社、2002年)

 

茨城県の田舎で自給的な生活をしている夫婦が、生活の全てをまとめた本。筆者は雑誌の編集業をしながら農業をして暮らしている。とにかくすごい情報量で、自給的生活についてはこれを読めば大体わかる。

 

 

なぜ今「自然の暮らし」なのか

 

今、自然と関わることなく生活できる時代だからこそ、自然の暮らしに憧れる。僕にとっての自然の暮らしとは、ただの山を歩くばかりでなく、身の回りの自然に働きかけて、生きるための恵みを受ける「暮らし方」であり、また、そういう暮らし方を続けていくための「精神(スピリット)」である。(p7)

 自然の中で、人間もその一部として生活すること。これは、ただ表面的に自然のある場所で生活するということではなく、自然とコミュニケーションを取り、関係を作るという内面的な営みなのです。

 

菜食主義のススメ

マクロビオティックで大切なのは、実は何を食べるかというよりも、食を通じて「信念に基づいて自分の姿勢を保ちながらリラックスしている」「相手を否定せず押し付けず闘わない」といった生き方を身につけることに違いない。これはマクロビオティックをするしないに関係なく、田舎暮らし、いや、社会生活を気持ちよく営むための究極の目標だ。(p215)

 

筆者の新田さんたち家族は、完全ではないですが菜食中心の生活をしています。

 

実は私もゆるいマクロビ生活(ビーガンとも言いますね)をしています。

ビーガンをやっている理由は様々ですが、ビーガンになってから変わったことの一つとしては食生活に秩序ができたこと。

 

飽食の時代においては、食生活はもう何でもありみたいな感じです。

世界中の食べ物が手に入るし、栄養もあふれんばかりに摂取できる。

その中で、あえて一定のルールに従って節制することで秩序が生まれます。

 

例えば俳句には5、7、5でしかも必ず季語を入れるという厳しい制約があるにも関わらず、その中でなお独創的な表現が生まれます。

 

ビーガンも同じで、動物性タンパク質なしでいかにして栄養を取るか、美味しく食べるかは独創の連続なんですね。

 

そして、自分のスタイルができれば、たとえ恋人が毎日肉を食べようとも、それはその人のスタイルなのだから、いがみ合うこともないのです。

 

ルールを厳格に守ることよりも、ルールの中でどんな工夫をするか、そのプロセスを楽しむことが菜食主義のコツだと思います。

 

まとめ

この本はとても詳細で、様々なものの作り方(堆肥、トイレ、野菜、お茶、コメ、大豆、味噌、はちみつ、きのこなどなど…)が詳細に写真付きで解説されています。

 

都会に暮らす私にとっては関係ないものばかりで正直ピンときませんが、パラパラ見るだけでとても楽しかったです。


田舎暮らしに憧れる人は流し読みで楽しみ、本当に田舎暮らしを始めようとしている人、またはしている人はガチで読んで勉強したらいいと思います。