お金の貯め方を知りたいときに読む本2冊、徹底比較!
今回は、対照的な2冊の本を紹介したいと思います。
お金を知る技術 殖やす技術 「貯蓄から投資」にだまされるな (朝日新書)
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
以前読んだこちらの本に、何かを学びたいときはまず異なる立場の筆者の本を3冊まとめて新書で読むべしとありました。
今はお金を貯めることや投資に興味があるのですが何も基礎知識がないので、まずは入門としてこちらの2冊を読んでみました。
本当は3冊読みたかったのですがこのテーマの本は2冊しかたまたま手に入らず、2冊になってしまいました。
しかし結果的に、2冊でも3冊でも、とにかく異なる主張の書かれた複数の本を一気に読むことはとても有意義だと思いました。
本に書かれている主張は筆者のバックグラウンドが少なからず影響しています。
なので、異なるバックグラウンドの人が書いた本を比較しながら読み、主張を鵜呑みにせず自分なりに解釈しないと(筆者はそのような意図がないにしても)いいように流されてしまいます。
自分で言うのもなんですが、私はとても素直な性格なので本に書かれていることをすぐに実践したりします。
そんなとき、ふと立ち止まり「この人はなんでこの主張をしているのだろう?」と客観的に考えるためには、この読書法は非常に有効だと思いました。
さて、今回はこちらの2冊です。
タイトルが対照的なのがお分かりいただけるでしょうか。
左の小宮一慶さんの本は貯蓄から投資にだまされるな、つまりむやみに投資しないよう説いています。
右の本勝間和代さんの本はお金をむやみに貯蓄せず、どんどん投資に回そう、と説いています。
一体どちらが正しいのでしょうか?
ちなみに小宮さんの本が2008年、勝間さんの本が2007年に出版されています。
ちょうどリーマンショックが起きた頃ですね。
分野:金融
難易度:★★★☆☆
コメント:
10年ほど前に書かれた本だが、言っていることは普遍的な論理なのでこれから10年経っても通用しそう。いつの時代に読んでも参考になりそうな良書。
筆者情報:
経営コンサルタント。1957年生まれ、81年に京都大学法学部を卒業し、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。米国ダートマス大学経営大学院に留学、MBA取得。岡本アソシエイツなどを経て96年に小宮コンサルタンツを設立。
VS
1968年生まれ。経済評論家、公認会計士。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。
まとめ:
二人の主張は一見すると真逆に見えますが、実は根本的な部分は同じです。
二人が口を揃えて言っているのは
「投資は有益だが、自分の生活に必要なお金は確保した上で限度を守ってやるべきだ」ということ。
その上で、じゃあどのように投資を行うのかという点で二人のバックグラウンドから見解が分かれてきます。
小宮氏は「お金はコツコツ銀行に預けて安定運用すべき。その上で余裕ができたら投資に回せ」
これは、やはり銀行に勤めていた小宮さんだから出る主張なのかもしれません。
しかし、銀行に預けていれば元金が減ることはないので、下手な投資をして損をしないためには耳を傾けるべきことだとも思います。
一方で、勝間氏は「銀行に預けている分、投資をしていれば得られた利益を失うリスクがある。極端な低金利下では預金していても貯蓄は目減りする。」
勝間さんは証券会社の側で投資家として働いてきた経験から、貯蓄を投資へと駆り立てます。
こうやって比較してみると、やはり書いた人の立場って本には色濃く出るなぁ、怖いなぁと思います。
小宮さんは住宅ローンを組むことをお勧めしており、また銀行にコツコツ貯金することを「日本人の美徳」とまで言っていました。
しかし勝間さんは、銀行にとって住宅ローンは収入源になるために勧めたいのだと批判していました。
感想:
私個人的には、勝間氏の論調の方が共感できました。
私のように不景気な時代しか知らない大学生にとっては、マイホームを持ちたい気持ちとかコツコツ貯金していれば将来安泰といった考え方はどうもなじみませんでした。
それよりは、勝間氏の自分で勉強して「お金に働いてもらう」ことの方が現実的に思えます。
銀行に預けている限りお金が減ることはないかもしれませんが、それは自分のお金を守るためにそうしているのか、それとも投資について学ぶのが面倒くさいからただ寝かせているだけなのかはわからないですよね。
勝間さんの本を読んで思ったのは、頑張って投資について勉強すればその分リターンが返ってくるということ。
お金を寝かせておくことは美徳ではないと思います。
投資の具体的な始め方についてはどちらの本でもわかりやすく書いてありますが、さすがに専門家なので、だいたい書いてあることは同じでした。
投資には定石があるのですね。
「◯◯で儲ける!」という本が巷に溢れていますが、そういうものをあてにしないようにしようと思いました。
この人の他の著書:
勝間和代 2007年
最新版もあります。何が書いてあるのか気になります。