東大生の読書ライフ

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東大生による書評ブログ。

食文化大国・中国

 

食をもって天となす―現代中国の食

食をもって天となす―現代中国の食

 

 私は中国に留学していたのですが、中国は美味しいものがたくさんあるし、中国人は食に対するこだわりが強い。

この本は石毛先生と中国・北京出身の賈先生が対話する形式で、中国社会の変化を「その時、何を食べていたか?」という視点で解説していきます。

途中、農家の朝食などいろいろな食べ物とその作り方が出てきて、食欲をそそる一冊でもあります。

 

「茶(ちゃ、Tea)」の語源

日本のように中国と近いところですとか、茶そのものが陸路を経由して運ばれたところではチャといいます。ロシアや西アジアのように、キャラバンで中国から茶が運ばれた地方もチャ系の言語です。それに対して、ヨーロッパ人が茶を知ったのは大変新しいことで、十七世紀以後のことです。以後、中国から西方へ、船で運ばれて茶が伝わったところはティーになるわけです。ティー系の発音をする福建省厦門(アモイ)が茶の輸出港であったことに関係を持つのでしょう。福建語では茶をテーと発音しますからね。(p188) 

これ、雑学として面白いですね。 いろんな人に話そうっと。

 

薬膳:食を薬とする

中国では、ふだん食するすべての食べ物は薬品としての効果をもっているという分類をして、理論づけていますが、その中で、薬を三つに分類して、「上薬」「中薬」「下薬」といっていますね。(中略) 「上薬」、最高の薬というのは、日常の食べ物から摂るものだという思想をつくりだしています。(p224)

いわゆる食事療法ですね。

中国にいた時、20歳くらいの友達が体調不良で病院から食事療法を受けていると言っているのを聞いて、日本ではあまり一般的ではないので(知らないだけ?)少し驚きました。

中国では、薬を使わず食事療法で治す、という選択肢が普通にあるそうです。 

さすが薬膳の国、中国だなと思いました。

薬には副作用もあるので、飲まずに治せるならそれが一番いいですよね。