醜く、美しい恋愛
「人のセックスを笑うな」(山崎ナオコーラ、河村書房新書、2004年)
タイトルといい、著者名といい、なんなんだこのインパクト…
前から興味はあったのですが、今になってたまたま見かけたので手にとって見ました。
意外と前に書かれていたんですね。
タイトルの意味
もし神様がベッドを覗くことがあって、誰かがありきたりな動作で自分たちに酔っているのを見たとしても、きっと真剣にやっていることだろうから、笑わないでやって欲しい。
(p111-112)
恋愛は、本当は美しくて素敵なものというよりは、醜くて不毛で可笑しいものなのかもしれません。
恋愛をすればいつかは傷つけ合うことになるし、自分の醜さも晒してしまう。
どんなに可笑しくても、本人たちは大真面目なのだから笑い事じゃない、ということでしょうか。
実際、主人公で19歳のオレと39歳のユリの恋愛はかなりいびつだし、あまりうまくいきません。
それでも、作品全体のメッセージは恋愛とか人間に対するありのままの肯定なのだと私は思いました。
ヒロインのユリは、なんだか私と似ているような気がしました。
他人への関心が薄くて、マイペース。
それなのに、人と触れ合うことを求めていないわけでは全然ない。
人の心があまりよく分からないところも。