愛とは醜いもの
恋は一時の病気
恋はいつも終わるものだ。恋が永遠だなんて、そんな子供じみたことはもう考えていない。恋は病気にかかったようなものだから、熱に浮かされる時期が過ぎれば、冷静な自分が戻ってくる。問題は、恋が終わったその後だ。そこから愛という形になりうるのか、それとも別れを選ぶのか、そこで二人は立ち止まり、お互いをはすかいに見つめながら考える。そしてさらに問題なのは、その結論は往々にして一致しないということだ。(p10)
これ、すごく分かるなぁ。
まるで私のことを見ているんじゃないかというくらい当たっていて、怖いですw
というか、これが恋愛の真理なのかもしれないですね。
お金では測ることのできない価値のあるもの
いくらいるの?一万円?それでいいの?返す事なんて気にしないで。もう一万渡そうか?お金を借りることに遠慮なんかいらないわ。お金は、あるところからないところに回ってゆくものよ。友達にだって借りたっていいと思うわ。よく、お金で友情が壊れるっていうけど、私はそうは思わない。それは最初からその程度の友情だっただけよ。本当の友情ってそんなことで壊れたりしないわ。それに、あなたはお金を借りたかもしれないけど、お金では測ることのできない価値のあるものを、友達に与えてあげているはずよ。友達だって、そのことがわかっていれば、貸さないとか返せとか、細かいことは言わないわ。本当の友達であればあるほど、相手に甘えることも大切なの。(p43)
これは、お金にだらしのない男に貢ぐ女のセリフです。
私はこういう考え方、大嫌いですw
お金にルーズな人とは絶対に関わりたくないと思っています。
しかし実際はルーズな人がいることも事実で、このセリフはルーズさを正当化する心理を的確に言語化していると思いました。
嫌すぎて、かえってスカッと(?)します。
この本に出てくる女性たちは皆、すごいドロドロしています。
唯川さんがあとがきで書いていましたが、ここにはきれいな恋愛感情なんかどこにもなくて、女とか人間の嫌な部分やダメな部分が全面に出ています。
読んでいて、うわ、こういうのすっごい嫌だなーと思うのですが、それでもページをめくる手を止められなくて、心の底では共感してしまう、そんな小説です。
やっぱり「愛なんか」、どれだけ美辞麗句で飾ってもこんなものだ、ということなのだと思いました。