理系大学生でも読める!マネジメント
「マネジメント エッセンシャル版 基本と原則」
P.F.ドラッガー(2001年、ダイアモンド社)
こんな人におすすめ:大学1〜2年、修士1年の比較的時間に余裕のある大学生
分野:経営
難易度:★★★★☆
コメント:
言葉は平易なのですが、特に後半は書かれていることが専門的・実際的すぎて経営を専門としない大学生としては実感がわかず、なかなか内容が頭に入ってこないことも。しかし、企業とは何ぞや、という哲学や経営の原理・原則を知るためにはとてもいい本だと思いました。
筆者情報:
1909年、ウィーンに生まれる。フランクフルト大学卒。33年発表の論文がナチスドイツの不評を買い、英国に逃れる。ロンドンで保険会社のエコノミストなど経験後、渡米。GMよりマネジメントの研究を依頼される。1950年にニューヨーク大学教授に就任。
印象に残った話:
企業にとっての利益とは、目的ではなく条件であるということ。
利益を目的にするといいことはなく(かえって儲けられない)、企業活動の妥当性を評価するための指標であるということ。
感想:
「もしドラ」を以前読んだことで興味を持ち、読んでみました。
私は理系学生で経営や経済を専門で学んでいるわけではなく、その分野の素養は全くと言っていいほどないのですが、こちらのサイトの解説を参考にしつつ何とか読めました。正直まだ自分に響かないところは読み飛ばしてもいいと思います。
このサイトだけでなく、名著なので読んでいる人がたくさんいて、ブログでたくさんの解説が公開されているので調べながら読むとわかりやすいと思います。
しかし、今はまだ全部理解できなくても何年か経った後でまたしっかり読みたいと思える一冊でした。
周りの理系の大学生(東大生)を見ていて、企業の活動とはどんなものなのか、みたいなことは知らないで就職していきがちだなぁと思います。
例えば研究職について開発に携わっていても、企業全体がどういうコンセプトで動いているのか、そもそも企業とは社会でどんな役割をするのかを知っておくことはすごく重要だと思うのです。
研究職への就職だと、商業活動に携わるという意識は希薄なのではないかと思います。
しかしモノを実際に売る場面から遠ざかっていたとしても、顧客に価値を届けることが企業の目的であるならば、ただ闇雲に実験室で作業してデータを集めるだけではダメで、もっと大きな視点を持たなければならないと思いました。
(就職もしていないくせに生意気ですが)
教授に聞いた話ですが、ある大手化学メーカーに就職した人は最初の何年間は単純な機械の操作ばかりやらされ、何のために働いているのかがわからなくなって辞めてしまうケースがあるそうです。
やっぱり、新人の頃は我慢しなければならないことがあるにしても「何のためなのか」「この企業は顧客に何の価値を届けているのか」という目的意識がないと、働くことは難しいと思います。
この人の他の著書:
こちらは「もしイノ」という本になっていますよね。
起業に興味があるので、ぜひ読んでみたいです。
こちらもどうぞ。これを読んでおくと「イノベーション」が理解しやすいと感じました。わかりやすいストーリーですぐ読めます。