結婚相手を決めるとき、頼りにするのはAI?それともお母さん?
「結婚相手を決めるとき、信頼できる両親の意見とAIの意見、あなたはどちらを尊重しますか?」
大学の授業で、このテーマで討論をしました。
なかなかタイムリーな話題ですよね。
あなたは、どう思いますか?
想像してみてください。
わかりやすく、ここで言うAI=ドラえもんにしましょう。
つまり、めちゃくちゃ精度が高く、総合的な判断ができて、さらに人間さながらに話すことができて温かみのある人工知能です。
ドラえもんは、小さい時からのび太くんと一緒に育っていて、のび太くんの思考や行動のパターンを全て把握しているとします。
のび太くんが大きくなって、そろそろ結婚を考え始めます。
候補としてはしずかちゃんとジャイ子がいます。
のび太くんはしずかちゃんが好きですが、ジャイ子ともそれなりに仲がいいです。
確率としては50:50くらいです。(漫画の設定とは少し違うかもですが)
のび太くんは優柔不断なので、自分では決められずにお母さんに相談します。
すると、お母さんはしずかちゃんがいいんじゃない、と言います。
お母さんはのび太くんを赤ちゃんの時から見ていて、性格を熟知しています。
「あなたみたいな子は、ジャイ子ちゃんみたいに強い女の人にリードしてもらう方がいいのよ」
お母さんはお父さんとそれなりにうまくやっていて、お母さんに「うまく行きそう」と言われればそんな気もしてきました。
ドラえもんは、世界中のカップルのデータと、のび太くんとジャイ子、のび太くんとしずかちゃんの条件を照らし合わせます。
両親どうしの関係も計算に入っています。
しばらく考えて、ドラえもんは「しずかちゃんにしなよ」と言いました。
夫婦がうまく行く可能性が、しずかちゃんの方が高いというのです。
意見が割れてしまいました。のび太くんは悩んで、夜も眠れません。
さぁ、あなたならどうする!?
議論では、色々な意見が出ました。
AI派
・両親の意見は自分の価値観とはズレていると思うので、従いたくはない。
・正確さの面で親を上回っている。親は、自分の限られた人生経験に基づいたアドバイスしかできない。
・自分はAIの開発をしているので、AIを信じたい。
お母さん派
・母親の意見を尊重しなかったら、その後の親子関係はどうなってしまうのか。そのことが結婚生活にも影響しそう。
・もし結婚がうまくいかなかった時に、AIのせいにするのはやるせない。せめて親のせいならまだ受け入れられそう。
・結婚生活では理屈に合わないことも発生しうる。例えば、相手に浮気されてもそれはそれで「幸せ」と感じて、結婚生活が長く続くかもしれない。数値化して処理するAIに、理屈に合わないことまで予測できるのか。
その他
・結局、自分が信じたい方を信じるだけ
などなど。
あなたは、どう思いますか。
私の意見
私個人的には、これを言っては元も子もないのですが、結局は自分が決めることで、尊重すると言っても、参考程度にしか見ないと思います。
そして、どちらを尊重するかと言ったら、AIかと思います。
なぜかというと、やはり正確さの面で一人や二人の両親の限られた視点よりも、よりデータの多い方が信憑性が高いと思うからです。
つまり、私がのび太くんだったら、お母さんを裏切り、ドラえもんのいうことを聞いて
しずかちゃんと結婚します。
ちなみに、グループ内で多数決をとったらAI:お母さん=5:4でAIの方がちょっと多かったです。
しかし、AIを盲信することは危険である、とも思います。
AIの判断はデータに基づいていて中立、と思いがちですが、そのAIとて人が作ったものです。
結婚相手を導き出す際に、何を重視するか、どんなデータに重みをつけるのかは作成者の恣意が働きます。
なので、結局AIの言う通りにしたら、作成者の意図にしたがっていることになると思います。
例えば、国が少子化を食い止めるためにてこ入れし、資金を出して結婚相手をマッチングさせるAIを作ったとします。
そうすると、「結婚相手として良い=たくさんの子が生まれる」になっているかもしれません。
パラメーターを操作できて、仮に「子供はいらない」を選択したとしても、見えないように滑り込ませて、とはいえ一人くらい生まれるようなマッチングにすることもできそうです。AIがどんなプログラムで計算を行っているのかは、素人目にはわからないからです。
こうなると、なんだか操られているような感じがします。
しかも、AIは中立(少なくとも人のアドバイスよりは)と言う印象がある分、このような恣意性は隠しやすく、危険であると思います。
重要な意思決定にAIを活用することでメリットも多くあると思いますが、あくまで人間が参考として利用しているだけであって、最終的な決定権は自分にある、と言うことを忘れてはいけないと思いました。
※私はAiの専門ではないので、本を読んで勉強した程度で話をしています。AIに関する認識が、事実と異なっている可能性もありますので、鵜呑みにしないようにご注意くださいませ。